※リ・カーリカ ランド ’20年11月〜’24年7月開店
① わたしのタバッキとの出会い
わたしは旅が大好きで、学生時代から東南アジアを中心に旅に出ることが多く、卒業後はアルバイトをしてお金を溜めては旅に出るのを繰り返していました。26歳の頃にずっと行きたかったインドやトルコにも行き、「さて、お金がなくなったぞ、働くぞ!」って。そのタイミングで出会ったのが「リ・カーリカ」でした。
初めて「リ・カーリカ」を訪れたときに、ものすごい熱気を感じて、それまで自由気ままにやっていたわたしにとってはその熱気が魅力的だったのを覚えています。それぞれがプロの仕事をしていて、自分にはないものを持っている人ばかりだと感じました。当時、わたしはワインのことも知らないし、調理経験もなかったのですが、面接で「経験はないけれどここで働きたい!」という思いを伝えたところ「やってみようよ」と堤が言ってくれて。まだお店がオープンしてから半年ほどで、ちょうど5人目のスタッフを探しているときでした。
② わたしのタバッキでの役割
最初は洗い場からスタートして、キッチンの裏に入って料理のベースを組んだり、食材やワインの在庫管理をするようになりました。キッチンの裏の仕事は、料理人とサービスマンの両方の補助をするポジションなので、ゼロスタートのわたしには学ぶことがたくさんありました。みんなの的確な指示を整理してまわしていくという作業は好きな方ですね。そのあとはサービスを任せてもらえるようになり、2015年には「カンティーナ カーリカ・リ」の立ち上げ、2017年には「あつあつ リ・カーリカ」の立ち上げを担当しました。
入社してから約5年ほど現場で働いていたのですが、2018年に結婚をして妊娠をしたことをきっかけに、働き方を変える必要が出てきたんです。「この会社でわたしは何ができるのだろう」と思い、堤と何度も話し合いました。そのときに堤から「どうにかするよ」と言ってもらえて、より一層、「自分がいることで会社がよくなる手段ってなんだろう」と考えはじめ、会社に求められていることを探すようになりました。
現在は、新店舗「リ・カーリカ ランド」の立ち上げと、全スタッフのスケジュール管理、採用業務、堤のアシスタント業務を担当しています。私の仕事は流動的でいいと思っていて、そういう働き方を自分で切り開いていきたいです。
ずっと「わたしって強みがないな…」と思っていたのですが、スタッフみんなが気を遣わずに話せる人になりたいって目標ができたんです。みんなの潤滑油的な存在ですね。今では、スタッフ全員と話しができる状態になってることが強みです。みんなのスケジュール管理もしているので、それぞれのキャラクターを意識的に理解するようにしています。
③ わたしのイチオシ
25人で4店舗を営業しているシフト体制です。店舗が増えていくのと同時に皆が成長したことで、どの店舗でも力を発揮できるスタッフばかりというのが、他にはない強みだと思っています。毎月各店舗のメンバーを少しずつ入れ替えて経験値を増やしていくことで、イレギュラーなことがあってもすぐに対応できます。
③ わたしの仕事道具
シフトを書き込むマンスリーカレンダーが必須アイテムです。特に月末はこのカレンダーとにらめっこをしています(笑)。スタッフは月7日お休みをもらっていて、夏休みはプラス3日。その中で、定休日がなくてもきちんと営業できるように調整しています。シフト次第で営業日数が増やせたり売り上げを上げられたりするから、本当に大切な仕事だと感じています。紙のカレンダーじゃなくても管理はできるかもしれないのですが、調整が複雑なときが多いので、色々と書き込めるほうがわたしはやりやすいです。
⑤ わたしの好きなこと
パンが好きです。食べるのも作るのもどちらも好き。天然酵母のパンを焼いて自宅で食べたり、あと「あつあつ リ・カーリカ」でもお出ししています。ゆくゆくは「リ・カーリカ ランド」でも販売する予定です。今は干しぶどうの自家製酵母を使っているのですが、野菜の皮でつくる酵母にもチャレンジしてみたいです。
ちなみにパン屋さんのパンも好きで、都立大学駅のそばにある「トシオークーデュパン」さんがお気に入りです。
⑥ わたしのモットー
「やってみないとわからない。」です。今、1歳の息子を育てているのですが、子供って「あ〜それはできないでしょ…」と大人が思うことでも、簡単にやってのけることがあって、「やっぱり、やってみないとわからないよね!」って実感するんです。それは仕事にも置き換えられて、不可能を可能にすることもそうですが、やってみたら思ってたことと違ったり、思ってた以上によかったり、問題が出たりするから、「考えてるだけじゃなくてやってみなきゃダメだな。一回行動してみよう!」ってなりますね。
⑦ これからのわたし
今までは、会社の中で“自分の価値”を見つけてがんばっていかなきゃと思っていたのですが、子供が生まれてからは、個性豊かなスタッフたちの溢れるエネルギーを無駄にしない仕組みを作りたいと思うようになったんです。もちろん堤の豊富なアイデアをこぼさないようにして、形にするのもそうですし。
あとは、これから私が2人目を妊娠しても、安心してスタッフに働いてもらえるような環境を作っていきたいですね。女性がさらに活躍できるように、いい意味で「図々しくしなきゃ!」とも思っています(笑)。
<プロフィール>
藤田 花江、1986年生まれ、東京都大田区出身、O型。大学卒業後、アジア周遊の旅を経て、東京駅のベーカリー「カーラ・アウレリア」に3年間勤務。2013年にタバッキに入社。「カンティーナ カーリカ・リ」、「あつあつ リ・カーリカ」の立ち上げを経て、現在は「リ・カーリカ ランド」の立ち上げや、スタッフのスケジュール管理、採用業務、オーナーシェフ・堤のアシスタント業務を担当。趣味はパン作り。一児の母。
企画/金沢大基(iD)文/田中亜衣(iD)写真/倉橋マキ