株式会社タバッキ / tabacchi

Tabacchi Journal

再始動した「リ・カーリカ ランド」。テーマはずばり「飲んで食べて、みんなの台所」

2020年11月にオープンした「リ・カーリカ ランド」は飲食店・物販スペース・オフィス・ラボという4つの役割をもつタバッキの全く新しい店舗。飲食店は、年明けの緊急事態宣言を受けしばらくおやすみして3月に再開。

新しくなった「リ・カーリカ ランド」の飲食店が掲げる、今までにない新感覚のコンセプトとは? 「リ・カーリカ ランド」店長兼女将の酒井に話を聞いた。

――「リ・カーリカ ランド」の飲食店はどんなお店なのでしょうか?

ワインに精通した女性スタッフが中心のお店で、どんな人にとっても使い勝手がよく、ワインはもちろん、ジンやカクテルなど様々なお酒を楽しめます。あとは、きちんと“食べられるところ”にしたいなと思って食事のメニューを充実させています。テーマは「飲んで食べて、みんなの台所」。「リ・カーリカ」の店長として経験を積んだわたしが女将として、戸梶がチーママとしてみんなの台所を切り盛りしています。

――食堂のような雰囲気もありますね。

“開けた食堂”という感じもあり、お酒を楽しむ場所であることに加えて、ごはんがしっかり食べられる場所でもあります。それこそ、ごはんと味噌汁、漬物もあったりして、定食を食べに来るような感覚でいらしていただいてもOKです。

――お客様の色々なニーズに応えてくれそうですね。

はい。食事をしながらお酒を飲むこともできますし、2軒目として利用するのもいいですし、おもしろいワインを色々と飲みたいワイン好きのお客さんや、お酒に合わせて小皿料理を少しずつ食べたいというお客さんまで、どんなお客さんであっても様々な使い方ができるお店です。

――お酒はワインが中心ですか?

ワインはイタリアのナチュラルワインをバックヴィンテージも合わせて用意しています。ただ、ワインリストはありません。スタッフがメニューそのもの。好みなどをお伺いして提案するスタイルです。常時20種類以上のワインを開けています。

その他にも、「辰巳蒸留所」のクラフトジンや「ブレーケリーエット」や「トゥーミータートール」といったクラフトビール、さらにリキュールや蒸留酒に自家製シロップを合わせたカクテルや「white monday」の生マッコリ、「とおの屋 要」のどぶろくまで、わたしたちが惚れ込んだ世界のお酒をご用意しています。変わったものだと、サルデーニャ島の造り手「メイガンマ」の甘口ワイン「ヴェルムート」にハーブなどを漬け込んだリキュールとオレンジシロップを合わせてソーダで割ったものが好評です。ワインを楽しんだあとにジンやウィスキーなどに切り替えるといった楽しみ方もできます。メニューにあるもの以外にも、お客様と話しながらオリジナルカクテルなどをご提案することも可能です。

――料理のメニューにはどのようなコンセプトがあるのでしょうか?

「リ・カーリカ ランド」は、国内の生産者さんのいい食材を提案する場所としての役割も持っています。生産者さんの魅力や考え方を料理を通して伝えて、お客さんに“いいもの”を知ってもらいたいと考えています。あと、体が楽で食べ心地がいい料理、そういうものを楽しむライフスタイルを提案したいというのがベースにあります。料理に使われている食材や調味料の多くが併設されたショップで購入できるのも特徴です。

料理のジャンルで言うと、ジャンルレス! 「リ・カーリカ」といえばイタリア料理のイメージがあると思うのですが、「リ・カーリカ ランド」では和やエスニックもあって、枠にとらわれない料理を提供しています。

併設のショップ

――例えばどのような料理がありますか?

シンプルなオムレツがあるのですが、これは小田原で地域循環型養鶏を行う壇上さんの卵「春夏秋冬」を使用したもの。ワイン生産者「イル・ファルネート」が作るバルサムコ酢と、「カステル・ディ・レゴ・オーロ」のオリーブオイルをかけて出しています。どの食材も生産者の想いに惚れ込みました。どれもショップで販売してるのでこの3つがあればお店と同じ味が楽しめるという(笑)。

あとは、ラム餃子。これは「リ・カーリカ」の料理人特製の手作り餃子で、シャンカールのナチュラルクミンを使用した自家製スパイスミックス「目黒クミン」をたっぷりかけているのがポイントです。「目黒クミン」もショップの人気商品です。

――いい食材を使ったカラダに優しい料理を味わえて、しかも同じ食材を購入できるのが嬉しいですね。他にはどのような料理が人気ですか?

「極薄クラッタとハムの盛り合わせ」は多くのお客さんがオーダーされます。イタリアから輸入したベルケル社のスライサーで極薄にスライスした香り高く甘味の強いイタリア産のクラッタと、パンチェッタコットやプロシュートコットなどのハムの盛り合わせで、ドライでナチュラルなランブルスコとよく合います。気軽に手でつまめるブルスケッタも好評です。天然酵母の自家製パンに乗った食材は季節によって変わるのですが、タバッキの料理人たちの飽くなき探究心、斬新なアイデアを感じられるはずです(笑)。

――お店の名物料理といえば?

「ランドのメンチカツ」です。以前、女性スタッフだけで開催したイベント「ドンナ リ・カーリカ」でお出ししたところ、「また食べたい!」という声が続出した一品で、少しアレンジしてメニューに加えました。メンチカツといえば、みんな大好きで安心する料理。スタンダードでシンプルながら間違いなくおいしい料理をメニューに入れたいと考えていました。アクセントとして豆豉を入れたり、ショップでも販売している発酵青唐辛子が効いた自家製だれや自家製酵素だれを合わせるのは「リ・カーリカ ランド」ならでは。ごはんと味噌汁にも合うし、お酒にも合います。おつまみとしてジンソーダと合わせるのもおすすめです。最後に〆っぽい感じで食べるのもいいと思います。

――夕食としてしっかり食事をしたいときにはどんな料理が食べられますか?

ごはんセット(上野さんの玄米&いろいろ米、汁物、水キムチ)にメンチカツやラム餃子といった料理を組み合わせて定食っぽくカスタマイズするのがおすすめです。「カラスミバターのスパゲッティとゆべし」や「発酵ペペロンチーノバターのスパゲッティ 卵黄と香味海苔」といった自家製調味料を使ったパスタもあります。パスタの食材はショップで販売しているものが多いので、ぜひスタッフに訪ねてみてください。

――本当に色々な使い方ができるお店ですね。ひとりでフラッと訪れるのもよさそうです。

実際におひとりでいらっしゃるお客様も多いです。お酒や料理好きのスタッフと話したりおひとりでも楽しめると思います。こんな時期なのでコロナ落ち着いてからになりますが、大きなテーブルをうまく利用することで10人ほどのグループも入れます。グループでの利用もウェルカムなんです。

――グループでの利用も!

料理は「女将にお任せセット」があるのでグループの場合にはおすすめしています。大体2,000円から7,000円くらいまでの間で予算に合わせて内容が変わります。例えば、2軒目の利用の場合、2,000円~3,000円程度の予算であれば、お酒のお供になる小皿料理をいくつか出しています。

――ちなみに予約はした方がいいですか?

予約をしていただいた方が安心ですが、少人数の場合は予約しなくても大丈夫なときもあります。大人がゆっくり食事をしたり飲んでるような場所なので、フラッと寄っていただければ。ただ、駅から少し距離があるので「行こうかな」って思ったときに一本連絡をいただけると、より安心かと思います。

ちなみに、土日祝日はお昼の12時から夜まで営業しているので、お昼から飲んでいただくのも大歓迎です。昼は店内に日差しがたっぷり入って気持ちがいいです。週末はぜひ、明るいうちからお越しいただき昼飲みを楽しんでみてください。

企画/金沢大基(iD) 文/田中亜衣(iD) 写真/倉橋マキ