株式会社タバッキ / tabacchi

Tabacchi Journal

きのこというジャンルを超えた主役級食材「王様しいたけ」

王様しいたけとの出会いは3年ほど前、信頼している食のバイヤーさんから紹介されたのがきっかけでした。はじめて食べたときの衝撃は今でも覚えています。しいたけとは思えない上質な香り、しいたけなのにアワビっぽいコリっとした食感、焼いたときに感じる強い旨味…。もはや、きのこというジャンルに捉われない食材だと思い「これは使うべきだ!」って。

王様しいたけの生産者、北海道の福田農園の広々とした敷地には、湿度や温度を管理することで “自然の森に近い環境”を再現した専用ハウスがならび、北海道産のミズナラのチップを使用したこだわりの菌床でしいたけを栽培をしています。菌床には新鮮な米ぬかなどを使用し、ブロック状に殺菌釜で炊き上げています。そうすることで、しいたけ菌だけがのびのび育つ菌床になるそうです。農園で菌床から生える王様しいたけを見たときには、絵に描いたような肉厚感にあらためて驚かされました。

主役にしたい食材なので、泉屋の鮎のナレクリームと合わせてシンプルにソテーしたり、丸ごとフライにして自家製ウスターソースと一緒にお出しすることもあります。カーリカ・リでは秋になると「王様しいたけと香味海苔のパスタ」を出しているのですが、その時期になると常連さんから「そろそろ?」って聞かれるぐらい定番の人気メニューです。

リ・カーリカ ランドでは王様しいたけの干ししいたけを販売しています。実は王様しいたけの真骨頂は干ししいたけにあるんじゃないかって思ってます。正直、ほかの干ししいたけとは別物。2日かけてようやくいい出汁が出るのですが、こんなに旨味が詰まってたんだってびっくりします。しかも出し殻のしいたけもめちゃくちゃおいしくて…。出汁をベースにして煮物を作るのがおすすめです。

さらに、リ・カーリカ ランドでは、生の王様しいたけの販売をはじめました。料理の仕方やレシピをつけて販売したいと考えています。それくらいの熱意を持って、今後もしっかり向き合っていきたい食材です。

堤 亮輔