株式会社タバッキ / tabacchi

Tabacchi Journal

ナチュラルワインで人生に彩りを! 酒井ゆり の「わたしの7 Stories」

① わたしのタバッキとの出会い

10代の頃から10年近く名古屋の飲食店で働いていたのですが、ナチュラルワインがきっかけで上京したんです。ナチュラルワインに出会ったのは25歳のとき。それからは休みのたびに東京に出かけ、3泊4日くらいひたすらナチュラルワインが飲めるお店の食べ歩きをしていました。特に印象的だったのは、代々木公園にある「アヒルストア」を訪れたとき。濁ったワインを、立ち飲みで飲む体験をして…。それまでは、ワインといえばゆったりとしたワインバーやダイニングバーで飲むものだと思っていたのですが、ガヤガヤ賑やかなところでワインを飲むことに衝撃を受けて、「こういうお店で働きたい!」って思ったんです。ただ当時は、名古屋にはなかなかそういうお店がなくて…。「だったら、東京に行こう!」って。

2013年に上京してからは、すぐにいくつかのお店の面接を受けて、ありがたいことに短期間の体験アルバイトをさせていただいたんです。その中でも、「リ・カーリカ」は活気が違いました。キッチンにいる堤が、お客さんがいようがいまいが大きな声でひと声かけると、スタッフみんなが一斉にそれに応えて…。お客さんも「さぁ、飲むぞ!食うぞ!」っていう雰囲気があって、ライブ感もすごくて、とにかく賑やかなお店でした。

当時から堤は、「ゆくゆくは店をいくつか展開して、スタッフに任せていきたい」と言っていたので、タバッキには大きな可能性があると感じ、入社したいと思いました。

② わたしのタバッキでの役割

新店舗「リ・カーリカ ランド」の夜の部のワインバーの店長をしています。「リ・カーリカ ランド」のワインバーでは、タバッキが約7年間かけてストックしてきたバックヴィンテージのワインをゆっくり飲んでいただけます。他の3店舗とはまた違ったワインの楽しみ方ができるのが特徴ですね。ヴィンテージの飲み比べも予定しています。お客さんのナチュラルワインの知識レベルが高まっている中で、きちんとワインを出せるお店、タバッキらしいお店にしていきたいです。わたし自身、7年間で培った知識と情報をもとに、お客さんに満足してもらえる場所にしたいと考えています。

ワインバーの店長以外には、物販事業部部長として「リ・カーリカ ランド」のショップで扱う商品を選んだり、管理をしています。その他、料理研究開発部と販売促進部のメンバーでもあります。意見をズバズバ言うほうなので、色々な部署に所属しています(笑)。タバッキは、男性スタッフが多いのですが、女性スタッフだから気がつくこともありますし、女性スタッフが働きやすい環境をつくるためにも、どっしりと構えている女性スタッフがいた方がいいかな〜と思っています(笑)。

③ わたしのイチオシ

ナチュラルワインは、ぜひ色々と飲んでいただきたいのですが、個人的にはナチュラルワインを好きになるきっかけにもなった、イタリア・フリウリ州の「ダミアン」のピノグリージョが絶対的に好きです。あと、同じくフリウリ州の「ラディコン」のメルローもナチュラルワインを好きになるきっかけになったワインなのでイチオシですね。

④ わたしの仕事道具

「ラディコン」を訪れたときに、造り手のサシャさんからもらったソムリエナイフです。仕事でも家でも使うので、常に持ち歩いています。

2018年にタバッキの社員研修で初めてフリウリ州をまわって、「ラディコン」のアグリ(農園)に泊まったんです。「ラディコン」はわたしが大好きなワインのひとつなので、思い入れも強く、このソムリエナイフは壊れるまで使い続けたいと思っています。

⑤ わたしの好きなこと

食べること、飲むことが大好きです。休みの日は昼ごはんを食べながら夜ごはんのことを考えるくらいです。
ちなみに、飲食に関しては“オタク気質”だと思います。小さい頃から枕元には常に料理の本が置いてあって…お菓子大百科とか(笑)。食べることにつながりがあると、どんどん知識が頭に入ってくるんですよね。

タバッキに入ってからは、今まで以上にとにかくナチュラルワインにハマりました。プライベートでも飲みたい! なので、休みの日は他のお店に行くことも多いです。あとは、堤の繋がりでインポーターさんや生産者さんと知り合って話ができたり、イタリアのワイナリーにも連れて行ってもらったり、大先輩のお店にも食べに行かせてもらったり…。こんないい環境は、なかなかないと思います。

⑥ わたしのモットー

「自分の感覚を信じる。」です。わたしは “感覚”で動いている人だと思うんです。お店でも、お客さんの微妙な言葉のニュアンスや些細な仕草で、何を考えているのか、何を必要としているか、を感覚的に捉えられるようにしています。それはスタッフに対してもそうですね。全員が何を考えているのかを気にしたりもします。言葉がなくても、見えないところで、繋がりや連携ができたらいいなと考えています。ただ、感覚が先行しすぎることがあるので気をつけなきゃですが…(笑)。

⑦ これからのわたし

以前に比べてナチュラルワインを取り扱うお店が増えてきている中で、「ナチュラルワインの本質」とか、「ナチュラルワインってこういうふうに飲むんだ!」とか、初心者にも飲み慣れている人にも、楽しみ方をもっと伝えていきたいです。

私自身もそういう経験があるんですけど、「ワインによって人生に彩りが出た」とか、「ワインの楽しみ方が変わった」とか、そう感じてもらえるきっかけになる場所を作っていきたいですね。今まで苦手意識のあったワインも気がついたら好きになっていたり、そういうきっかけづくりもしたいです。

なのでわたしは、例えば5人グループのお客さんに対して、それぞれにイチオシのワインを出すようにしています。テーブルには5種類のワインが並びます。お客さんには常に「ワインとの出会い」を提供していきたいです。

<プロフィール>
1985年生まれ、愛知県稲沢市出身、O型。名古屋で「ディーン&デルーカ名古屋」や「キルフェボン名古屋」などの立ち上げを経験したのち、ナチュラルワインを扱う飲食店で働くために上京し、2013年にタバッキに入社。「リ・カーリカ」をメインとしたサービスマンを経て、現在は「リ・カーリカ ランド」の夜の部であるワインバーの店長ならびに物販事業部部長を担当。趣味は食べ歩きと料理をすること。

企画/金沢大基(iD)文/田中亜衣(iD)写真/倉橋マキ