トスカーナ地方の一部で作られている太麺パスタ、ピチ アリオーネ。トマト、ニンニク、オリーブオイル、そしてチーズ。使っているのはシンプルな素材ながら、しっかりとした濃さがあり食べ応えも十分。最後の〆にもぴったりの一皿です。
ぼくとピチとの出会いはイタリアのシエナ。今と比べて太いスパゲティなんてまったく流行っていなかった時代に、うどんのような見た目のおもしろさと、ぼく自身が大好きなトマトソースが印象的でした。最初に店を立ち上げたときに真っ先に採用したメニューであり、以来一度もメニューから外れたことのない「リ・カーリカ」、「カンティーナ・カーリカ・リ」の定番的存在でもあります。
麺はもちろん手打ち。「タバッキ」流の打ち方・こね方・のばし方で、コシが出過ぎないよう、絶妙な「コシ砕け感」を出しているのもポイントです。現在はこのおいしさをもっと気軽に楽しんでいただけるように、おうちで食べられる商品としても開発中です。肉を使ったソースなどバリエーションも増やしていろいろ作りたいですね。
600円というリーズナブルな価格設定は、おいしいものにはうるさい大人のお客さんにも、居酒屋感覚でカジュアルに楽しんでもらえるようにとの思いから。学芸大学を発信地として、食通の人たちがうちの「ピチ」の存在を広めてくれているのも嬉しいですね。ゆくゆくはこの名が、うどん、蕎麦、ラーメンと肩を並べるくらい有名になってほしい。「今日のお昼はピチよ」なんて、みんなが言うようになったら最高です！
堤亮輔
